ねむの木学園のこと

先日,バイト生の2人がお手伝いに来てくれた時,「ひるねのじかんの将来」の話になりました.

「入社試験にはポンチャのカルトクイズを出すよ〜」「子ども好きじゃないと社員にはなれないよ〜」などと冗談もいいつつ,会社としてやってゆくからには,もちろん利益を得ないといけないんだけど,なにか世の中の役に立つような,そんな会社でありたい……という真剣な話になりました.

「たとえば,利益の中から児童施設などに寄付したりとか」と,将来の構想を話していたら,アネッチが「ねむの木学園」のことを教えてくれました.

「女の人が作った,子どものための施設ですよ」と,あねっちは教えてくれました.



長くなりそうなのでリンクにします.

はずかしながら,私は,ねむの木学園のことをまったく知らなかったので,インターネットで調べてみました.
すると,たしかに「ねむの木学園」という,ハンディを持った子どものための施設がありました.

宮城まり子さんという方が創立した施設でした.

「ねむの木学園」という施設も「宮城まり子さん」という人も初めて知りましたが,古くから活動をしている学園なんだそうです.


そして,ホームページの一番上に書いてある「願い」と「学園の概要」という文章を読んで,私はビックリしてしまいました.


記載内容の転載禁止とのことだったので,引用はできませんが,私がラスポンチャスの活動をするにあたって想っていること,願っていることと,まったく同じ考えだったのです.


「違っていたっていいじゃないか,だめな子なんてひとりもいない」いつもポンチャ達を創作しながらつぶやいていることを,宮城さんも書いておられました.




「だめな子」なんているんでしょうか?


「要らない子」なんているんでしょうか?




私の話をします…….


私は,生まれてすぐ,産んでくれた人に捨てられてしまいました.

しばらくは父が一人で育ててくれましたが,児童相談所の方の強い勧めにより,言葉を覚える前に児童施設に入りました.

「児童施設出身」というと,可哀想だ,不幸だ,とか言われることがありますが,私はちっとも「不幸」でも「可哀想」でもありません.

園での生活は,躾けは厳しかったけど,友だちもたくさんいて,楽しいものでした.
むしろ,再婚した父に引き取られてからの方が,私にとってはイヤだったので,あのまま園で暮らしていたかったな……と思い返すこともあります.


私を知る親しい友人は「あんた,よくグレなかったね」と言いますが,私がまっすぐ成長できたのは「園」のおかげなのです.

大人になってからわかりましたが,施設の先生方は,本当に真摯に,真剣に,正面から子ども達を育ててくれました.

冬の朝,廊下の拭き掃除をしたあと,先生が私の手の甲にぬってくれた,ハンドクリームのやさしい匂いは,今でも忘れられません.


私は大きな声でいいます「園で育ってよかった!」と.


そして大人になった今,今度は,私が,誰かを助けたい……と思います.



先日の有楽町ロテンでのおじさんといい,ねむの木学園のことを教えてくれたアネッチといい,私をとりまくすべての人や出来事が,「人のために,ポンチャを描きなさい」と教えてくれている気がしてなりません.


宮城まり子さんのように,強い信念を持って,活動をしてゆきたいと思いました.



2007年12月02日 *22:13│Comments(6)

この記事へのコメント

1. Posted by まいまい   2007年12月03日 18:51
日頃から、ひるねさんの思いには感銘を受けるところがありました。そうだったのか、と胸が熱く、熱くなりました。胸がいっぱいでいっぱいで涙しました。
宮城まり子さん、そう、私は知っていましたが、とても聡明で素晴らしい方です。どんな子にも素晴らしいところがあると。いろんな子供たちとあんな風に接すことができるなんて。
私もひるねさんの考えに賛同!
そう、神様がひるねさんに託された使命なんだと思います。
これからも応援していくので、活動頑張ってください!

2. Posted by りい   2007年12月04日 10:27
ひるねさんの物作りに対する思いの深さに驚き、感心しました。
とっても深いお話で・・・。

収益金から寄付を・・と言うのは凄く良い考えだと思います。

寄付や募金とかって、いざしようと思うと何だか恥ずかしいような、なかなかすすんで出来なかったりしますが、大好きなポンチャグッズを買う事で、それが出来ると嬉しいような・・・♪



3. Posted by ともぴ   2007年12月05日 00:43
初めてポンチャに出会ったとき「一人だけ違うほうを向いているんですよ」とひるねさんが教えてくれました。

その時、私はピアノも個性を消さないようにレッスンしたいなと常々願っているので、その絵から色々と考えることがありました。

そしてポンチャが大好きになりました。
ポンチャのお母さんのひるねさんも大好きです。

この日記を読んで、私が惹かれた理由が明確にわかりました。

これからも素敵な作品を沢山生みだしてくださいね。応援しています。



4. Posted by ひるね   2007年12月05日 23:52
みなさんへ
あたたかいコメントありがとう!
私が園で育ったこの話は,正直みんなをビックリさせちゃうかな〜とも思いましたが,私がポンチャをつくる上での「想い」を伝えるうえで大切だと思ったので,書きました.
今となっては,私がこの世に生まれた瞬間から,将来こういう想いを込めてポンチャを描くんだってことが決まっていたような気もします.
これが運命なら,私は喜んで受け入れて,そして全うしたいと思います!
みんな,どうもありがとう!
これからも応援お願いします!!
5. Posted by まいまい   2007年12月06日 19:58
そうですよね。運命って、時に残酷でもあるけれど、辛いことも苦しいことも、それを乗り越えられる人にしか、その試練は与えられないのだと。
ひるねさんは、神様に選ばれた人なんだと。
ひるねさんの優しい心やたくさんの想いが、ポンチャを通じてたくさんの人々の心に届きますように!

クリマ、頑張ってきてくださいね♪

6. Posted by かほり   2008年12月31日 00:07
ひるねさん今晩は(^O^)ノ
18キップでの旅のときに静岡にお越しの時にラス・ポンチャスと出逢うことができ、先日の東京でのデザイン・フェスにもお邪魔しました静岡のかほりです。御葉書もありがとうございました。グッツが買えただけでも嬉しかったのに、ひるねさんって改めてすごい人だなあと感激しました。
休みに入りパソコンを開いてブログを最初からぜんぶ読ませていただいていて、この日記を読みたまらずコメしています。
静岡でお店をされてた初めてお会いした時からポンチャちゃん達はもちろんひるねさんの深いやさしさを感じました。こんなにあたたかいイラストをかけるなんて、なんてすごい人なんだろうと思いすっかりファンになりました。
このひるねさんの日記を読んでひるねさんの人間の深さが伝わってきました。ひるねさんからにじみ出るあたたかさを感じます。私は両親もいて恵まれているのに恥ずかしくなりました。
出逢わせてもらい本当にありがとう。ひるねさんとラス・ポンチャスに出逢えて本当に嬉しいです。

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このブログは「ひるね」が書いています。

ラスポンチャスというキャラクターの作家をしていた2015年10月。絵本の取材のために入った山でアカゲラに出会ったのがきっかけで野鳥のとりこになり、それからというもの鳥の絵ばかり描いています。

「野鳥生活」という名前で百貨店などに出店しています。



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ひるね

生まれたところ
東京都武蔵野市

いま住んでいるところ
大阪市住吉区

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ボリウッド

好きな色
こげちゃいろ

性格
まじめ時々いいかげん
人見知り
ほんとに人見知り
いたずら好き
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じつは毒舌
いらんことしぃ
精神年齢6歳


好きなコト
いたずら

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