すてきなもみの木

クリスマスにぴったりの絵が描きあがりました!
タイトルは『すてきなもみの木』

pc_112_すてきなもみの木


ポンチャでクリスマスを描くのは初めて。
キリスト教徒でもないのに、心を込めてクリスマスの絵を描けるわけないって考えてたから。。

わたしが二十歳になった冬、もめにもめていた実家をカバン一つ持って飛び出した。
それから今までなんとか独り立ちしているわけだけど、家を出てからしばらくはシェルターのような所でかくまってもらい、年が明けてからは、カトリック系の女子寮にかくまってもらった。

初めて寮をたずねた時、玄関に大きなクリスマスツリーが飾ってあった。
もう年も明けたのに? と不思議に思っていたら、キリストの生誕節というのは12月25日に終わるわけじゃないんですよ、もうしばらくあるんです、と寮母のシスターが教えてくれた。

それから真に独り立ちするまでの数年間をその女子寮でお世話になった。
別棟に祈りのためのオミドウ(御御堂)があって、毎週決まった曜日に小さなミサが開かれていた。
寮生はみなミサに列席することになっていたので、私も列席した。

私はキリスト教徒でなかったので、だれに、なにを、どう、祈っていいやらわからない。かといって居眠りが許されるような空気でもない。静かに祈りを捧げる皆の姿をぼんやり見つめていた。

シスターたちはみな、左手の薬指に指輪をしていた。
え? シスターって既婚?? と思ったらそうではなく、それはイエスさまと結婚しているのだそうだ(あ、ということはやっぱり既婚か)。

シスターたちはみな、朗らかで、静かで、けれども私がおかしな冗談など言うとキャッキャと声を出して笑うような可愛さも持ち合わせていた。おばあちゃんシスターも若いシスターもみな、女学生みたいな清らかさをまとっていた。

ある日、あるシスターが、キリスト教について私に説いた。
私は特に信仰している宗教はなく、寮に住まわせてもらっているからといってキリスト教を信じるというのもどうかと思った。信仰心もないのに〝フリ〟だけするのは、かえって失礼だと思った。
「ねぇシスター、〝信じる〟っていうのは、誰かを好きになるのとおなじようなもので、人に言われてすることでもないんじゃないの。気がついたらそうなってるものなんじゃないの。」
シスターに説教をするなんて、いま思えばずいぶん生意気なことをしちゃったな。
けど、こんな生意気にも、シスターは笑って「そうね、なるようになるわね」と、無理強いはしなかった。


寮には大きなクリスマスツリーがあって、毎年みんなで飾りつけをした。
大きなもみの木に、色とりどりの飾りをつけてゆくのはとても楽しかった。

この絵は、そんな思い出を思い返しながら描きました。




2013年12月12日 *06:42│Comments(1)

この記事へのコメント

1. Posted by まいまい   2013年12月12日 16:49
クリスマスは、クリスチャンのものかもしれないけれど、どんなイベントでも、それを通じて幸せになれるなら、形はどうであれ、いいのではないかしら…。
私もクリスチャンでもないし、神を信じるってことはわからないけれど、讃美歌唄うのも好きだし、時々困った時は「神様、お願い!」って心で叫んじゃう。
そんなものです〜。
ひるねさんの絵がみんなに届きますように♪

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このブログは「ひるね」が書いています。

ラスポンチャスというキャラクターの作家をしていた2015年10月。絵本の取材のために入った山でアカゲラに出会ったのがきっかけで野鳥のとりこになり、それからというもの鳥の絵ばかり描いています。

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