命の大切さってなんですか

「命の大切さ」ってフレーズ、よく耳にしますよね。
よく耳にしますけど、実際どういうことなんでしょう。

これは私の考えですが、命の大切さを思うということは、「死」に焦点をあてることでもあると思うんです。
だから「命の大切さ」を伝えようとするほど、死について触れざるを得ないと思うんです。

けれど、昨今の風潮として、「死」に焦点をあてることを避けているような、そんな印象を受けます。

「死」についてまっすぐ正面から向き合うことは恐怖感を伴う場合もあるだろうし、心の状態によっては耐えられないと感じる場合もあるかもしれません。

けど、「死」については目をつむって見えないフリをして、それで「命の大切さ」を強く感じることができるでしょうか?

私が幼いころ、チョウチョの羽をもいで死なせたり、タニシを貝からはがして死なせたり、トカゲの尻尾をちょん切ってじたばたするのを眺めたりしたことがあります。
でもそのときの私には殺意や悪意は多分なかった。

じゃなんでそんなことしたんだろう?って思ってひとつ気づきました。
そのときの私は、まだ「死」ということを知らなかったのです。
羽をもいで動かなくなったチョウチョが、ただジッとしているのか、死んでいるのか、幼い私にはわかりません。

先週みたテレビドラマで死んだ人が、いま別のドラマで生きていたりするのをみると、幼い子供にはますます「死」がわかりません。


あるとき近所の川でマスをつかまえました。
山小屋のおじさんが、たき火で焼いてくれるといいます。
私は炊事場についてゆき、おじさんの作業を見ていました。
そのときの衝撃はいまでも覚えています。

ピチピチと動くマスの白いお腹にスッと小刀をあて、スルっと内蔵を取り出します。
内蔵が入っていたところに塩をぬり込みます。
そして、まだわずかにピクピクと動くマスの下腹の辺りからSの字をえがくように金串を刺して、炭の燃えるドラム缶で焼くのです。

たった今まで川で泳いでいたマスが、いまや食料となって目の前で火にくべられている……。
子供ながらに衝撃を受けました。
そのとき初めて、自分が他の「命」を食べて生きているんだと実感しました。


「死」について避けたり見ないふりをしては、「命の大切さ」は実感できないし伝わらないと思います。

世の中にあふれている「命の大切さ」をさけぶ声がなんとなく薄っぺらく感じるのは、多分そういうことなんだと思います。




出店のおしらせ



8/12〜18 タカシマヤ大阪店(5階)



9月 タカシマヤ京都洛西店(1階)






2015年07月31日 *02:20│Comments(0)

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ラスポンチャスというキャラクターの作家をしていた2015年10月。絵本の取材のために入った山でアカゲラに出会ったのがきっかけで野鳥のとりこになり、それからというもの鳥の絵ばかり描いています。

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